歴史に倣う

素材
一貫が大きな幸福感に繋がり、次の一貫がまた楽しみになる。幸せを運ぶ寿司を、福岡県福岡市中央区高砂にある「すし 幸徳(スシ コウトク)」で。当店では、本当に美味しい寿司を突き詰めた結果、現代の調理法を採り入れながらも、昔ながらの技法を用いた伝統的な寿司にたどり着きました。現代の風習に流されず、確かなものを見極め、納得できるものにこだわり続ける。それが、「すし 幸徳(スシ コウトク)」の寿司への心です。

食材に歴史あり

文化を守り、味わう
ネタケース

古くからある食の文化は、時代を越えてさまざまに進化をし続けてきました。日本人が和食として米や魚を食べるようになり、そのなかでも良し悪しを感じ、時代とともに無くなっていくものもあれば、新しく生まれる食材も多くあります。食材ひとつひとつの歴史を遡れば、それほどに奥深いものはありません。当店では、その歴史を遡り、味を知り、生産者さんの想い感じ、そのすべてを寿司にのせて表現しています。口に入れたその時に、何か特別なものを感じていただければ幸いです。

おひつ、自然栽培 ササニシキ

ササニシキは古くから日本人の間で大変親しまれてきました。口の中でホロホロと崩れるシャリを目指したとき、1粒1粒がしっかりとして、パラパラと纏まりづらいことが特長であるササニシキは最適でした。自然栽培はほとんどの作業が手作業で行われるため、生育には手間暇がかかりますが、この美味しさを今後も残していくために、適正価格で買い付けをします。職人と生産者が密に繋がり、互いが互いの価値を理解することで、本当に美味しいものを次代へ残していきたいと考えております。

真妻種わさび

真妻種のわさびは古くから、最高品種のわさびと言われてきました。わさびはどこでも栽培できるものではなく、土地や土壌、水との適合性によって育てられる土地は限られてしまいます。今では和歌山県の真妻村を除くと、静岡県の御殿場と伊豆の2箇所でしか生産されていません。当店では、そのなかでも最高品種と考える御殿場のものを仕入れています。粘りが強く、甘みがあり、香り高いけれど強烈な刺激がない真妻種のわさび。シャリとネタの相性を考えても、これほどのものはないほど、バランスのとれた味わいです。

種子島産 天日塩

天日塩とは、太陽と風の力を利用して海水を自然蒸発させて製造する塩です。当店で使われている種子島産の天日塩は、機械を入れず全てを手作業で行っております。丁寧に時間をかけて作られるため、当店で使用する素材と相性が良く、上品な塩味が素材それぞれの良さを引き立てます。

酒粕酢

江戸時代の寿司屋では当初、値が張る米酢が主に使われていました。「米以外の原料でお酢を造ることができれば、寿司はもっと手軽になる」そう考えて造られたのが酒粕酢です。風味や甘味が寿司に合うことから人気となり、江戸の人気店でも使用されるようになりました。文化文政時代の町人文化から続く酒粕酢、当店では3年間熟成させたものを使用しております。

調理、握り

大野城で「すし 幸徳(スシ コウトク)」をオープンした頃から10年以上もの間、鮮魚の仕入れは目利きの信頼できる仲買人や魚屋と密につながり、要望通りの食材を揃えております。良質な食材を求める中で、多くの方とお付き合いをさせていただく機会に恵まれました。今では地元・長浜市場だけでなく、長崎の五島や東京、北海道など全国各地から食材を集めることができるようになりました。